サスペンス小説の実写映画『黄金を抱いて翔べ』の魅力
小説からの映画化で話題を呼んだ作品
『黄金を抱いて翔べ』は、高村薫のサスペンス小説の実写映画化になります。原作は、1990年12月に新潮社から出版され、高村にとってのデビュー作になります。デビュー作が実写映画化されたのは、『第3回日本推理サスペンス大賞』で受賞を獲ったほどの人気作品だからです。そのため、単行本が1990年12月20日に発行されました。その4年後には文庫本も販売されています。
さて、そんな黄金を抱いて翔べですが、ロケ地となるのは大阪です。この街で、したたかに生きる6人の男たちの金塊強奪計画を描いた作品になります。とはいえ、作品を見て関西弁を話しているのは6人のうち1人だけ。野田は神戸出身なため、役の中でも純粋な関西弁を喋っています。大阪で繰り広げられるストーリーでありながら、ほとんどのメンバーは標準語を話すのでおもしろいです。また、出演者には韓国の人気アイドルグループ東方神起のチャンミンもいます。メインとなるキャストも、妻夫木聡や浅野忠信、桐谷健太などを起用しており、彼らのファンにとっても楽しめる作品です。意外にも女性の方にも人気のあった作品でもあります。
もちろん、原作のファンからも高い評価を得ています。全体的に評価も高く、『おもしろかった』という声も多いので見てみる価値ありです。サスペンスアクションなので少々過激なシーンもありますが、ベテラン俳優たちの演技に迫力があり、圧倒されます。
どんな内容なのか?
気になるのがストーリーです。裏社会の住人を相手に、調達屋として生活していた妻夫木聡演じる幸田が、大学時代の同級生だった浅野忠信演じる北川から持ち掛けられる計画に加担し、金塊を強奪します。強奪に使われた場所は、大阪市の銀行。コンピューターを駆使し、完璧な防犯システムがある金庫から240億円相当の金塊を奪います。
その強奪に協力したのが、システムエンジニアである野田(桐谷健太)と北川の弟である春樹(溝端淳平)、そして爆破のプロでありスパイのモモ(チャンミン)です。さらに、元エレベーター技師というジイちゃん(西田敏行)も加わり、金塊を奪う計画を進行していきます。
とにかくスリル満点。映画全体としては落ち着きがありますが、淡々としたストーリーが逆に観る側をドキドキさせます。妻夫木聡が、原作よりも優しい雰囲気が出ているという意見もありますが、全体をとおして楽しめること間違いありません。
ちなみに、爆破シーンでは実際に人が住んでいるアパートを利用したとか。