「眉山」は数々の感動のベストセラーを出している、さだまさしが原作を手がけた小説を実写映画化したものです。
主演の咲子は松嶋菜々子が、その母である龍子は宮本信子が演じるなど、主要キャストにもこだわった映画で、涙なくしては見られない作品に仕上がっています。元々の原作が素晴らしいということもありますが、大ヒットを呼び、すぐにテレビドラマ化が決定し、舞台でも上演されるなど大きな反響を呼びました。
咲子は東京で旅行代理店の社員として働くキャリアウーマン。ある日、たった一人の家族である母・龍子が入院したという便りを受け取ります。急いで生まれ育った徳島に行き、母と会います。
龍子はなんでも自分で物事をこなすしっかりものの母で、病気になった時も娘になんの断りもなくケアハウスに入ってしまうほどの女性でした。
そんな母に咲子は反感さえ持っていましたが、主治医から母が末期のガンであるということを告げられショックを受けます。
そこから、懸命な娘の看病と世話が始まります。大沢たかおが演じる若い医師と、関わりを深めながら必死に母を助けようと看病を続けています。
そんな中、死んだと思い込んでいた咲子の実の父親の写真と手紙を受け取ります。そして、龍子と別れざるを得なかった父を探しに東京に戻り、二人を再会させるために徳島の阿波踊りの会場に連れてきます。
このように、「眉山」は家族のつながりの大切さをあらためて感じさせてくれるストーリーとなっていて、日頃忘れがちな親との結びつきの強さを教えてくれるものです。
そして、故郷を離れて仕事をしている人たちにとって、普段意識することはないものの、いかに故郷が大事なものであるかを思い起こさせます。なにより、子の親への愛や親が我が子に持つ深い愛情を示してくれる感動の映画です。